みなさんは「アート」と聞くと何を想像しますか?
美術館に展示されているような有名な画家の絵画作品でしょうか、
それとも公園などに設置された彫刻作品でしょうか。
インスタレーション作品などの体験型アートをご存知の方もいるかもしれませんね。
私たち人間は、はるか昔の旧石器時代からアートとともに生きてきました。
洞窟の壁に描かれた壁画、教会に飾られた宗教画、これらもアートです。
アートは決して裕福な人、限られた人の楽しみだけではありません。
みなさんに、アートをもっと身近に感じていただけるようなお話をしてみたいと思います。
【なぜ、アートが必要なのか】
(写真1)※画像引用元:https://www.businessinsider.jp/post-232865
前述したように、旧石器時代の壁画がアートの起源といわれていますが、
なぜ私たちにはアートが必要なのでしょうか?
古代の壁画には狩のシーンや狩りでしとめた動物などが描かれていました。
文字も紙もなかった時代、狩りでの体験や情報を伝える手段として壁画が描かれました。
また、中世の宗教画は、
生きる意味を考えたり、祈りの気持ちを表したりするために使われました。
恐怖や不安、幸福や平穏など、私たちの気持ちに寄り添うものとしてアートは役立ちました。
アートは人と人とのコミュニティツールであり、私たちの心の支えだったのです。
【浮世絵もマンガもアートだ!】
また、日本では江戸時代に浮世絵が庶民の間で大人気となります。
みなさんも、葛飾北斎や写楽の作品はどこかで目にしたことがあるのではないでしょうか。
それまではお金持ちの特権だったアートが、庶民にも親しまれるようになるのがこのころです。
また、日本の漫画文化がいかに盛んかは多くの皆さんもご存知だと思いますが、
漫画をアートとしてとらえる市場や研究もあります。
庶民が楽しむ娯楽も一つのアートだ、そんな文化が実は日本には昔からあるのです。
【お花を生けるように】
みなさんは、お部屋にお花を飾ったり、観葉植物を置いたりしていますか?
実は我が家には、お花も観葉植物もありません。
植物を育てることがとても苦手で、過去にはサボテンやミントも枯らしてしまいました…。
そんな我が家には、子供が描いた絵や家族写真、折り紙の飾り物やポスター、
そして、障害者アートがたくさん飾ってあります。
お花も観葉植物も、もちろん素敵なのですが、
生き物ですから季節によって手に入るものが限られますし、
お水を変えたり剪定したり日々の管理が必要です。
それに比べて、アートはもっと手軽で簡単です!
季節を問わずいろんな作品がいつでも手に入りますし、お水を変える必要もありません。
一度飾れば、気に入らなくなるまではずっとそのまま、何もしなくて大丈夫です。
(写真2)我が家の賑やかな壁です
【カレンダーからはじめてみよう】
お花も観葉植物も置いていないなぁ…という方も、カレンダーはどうでしょうか。
必要だから置いているカレンダー、壁に貼り付けているカレンダーはありませんか?
そのカレンダーをアートに変えることができます。
小さな卓上サイズのアートでも、壁に飾るポスターのようなアートでも良いです。
今カレンダーがある場所を、アートを飾る場所に変えてみましょう!
カレンダーは今やスマホで十分ですし、どうしてもカレンダー機能が欲しい方には、
実益も兼ね備えたアートカレンダーがオススメです。
最初は小さなサイズ、ポストカードからはじめるのも良いですね。
我が家にアートを飾るようなスペースなんてないよ…と思わないでください。
カレンダーと同じくらいの気持ちで考えて大丈夫です◎
【暮らしの中にアートを】
前回のエッセイでも書きましたが、ダブディビ・デザインでは以前から、
「暮らしの中にアートを取り入れる」ということをテーマに活動しています。
アートが暮らしの中にある様子をイメージしてもらうために、
2019年には、京都の町家ゲストハウス「ogh」で障害者アートの展示を行いました。
(写真3)床の間に飾ったアート作品は、
西岡弘治(アトリエコーナス/大阪)さんの「楽譜 波紋」
(写真4)寝室に飾ったアート作品は、
堀口好輝(アトリエやっほぅ!!/京都)さんの「No Title」2点
床の間や寝室、キッチンや廊下にも作品を飾り、みなさんにアートを楽しんでいただきました。
またその後、町家宿泊施設「京の温所 御幸町夷川」でも、
障害者アートの常設展示を何度か担当させていただきました。
(写真5)床の間に飾ったアート作品は、
吉村千奈(スウィング/京都)さんの「赤が好き」
(写真6)棚に飾ったアート作品2点は、
賀張勝(ひとは福祉会・3ばんのりば/広島)さんの「草花①」「草花②」
【あなたのファーストアートを応援します】
コロナ禍を経て、私たちのライフスタイルはさらに多様になりました。
Zoom会議、オンラインセミナー、バーチャル美術館など、
オンラインコミュニケーションの普及は目覚ましいです。
私もオンラインツールも便利に活用していますが、
アートの魅力はオンラインでは伝わりきれませんし、生で見ないとだめだと実感しています。
マジェルカアートはオンライン販売が中心ではありますが、
今後は、リアルに作品を見れる機会も作っていきたいと考えています。
あなたのファーストアートを選ぶお手伝いも是非させていただきますので、
気になる作品がある方は、お気軽にお問合せください。
ダブディビ・デザイン 柊伸江
2024年10月9日配信